土地はどのように売却すればいいのでしょうか?
ここでは、土地を売るのに必要な手続きや流れ、費用・税金などの情報をわかりやすくまとめました。
「まったく使用していない土地を長年持っている」
「土地を相続したけど、使う予定がない」
など、不要な土地をどうすればいいのか悩んでいる方、必見です!
目次
土地を売る流れ
まずは、土地を売る流れを把握しておきましょう。
- 必要書類を揃える
- 不動産会社を決める
- 価格を決める
- 売却活動
- 交渉・契約
- 引き渡し
1.必要書類を揃える
土地を売ろうと思ったら、
■不動産会社に相談する前に土地の状態を確認する
■必要な書類を揃える
など、事前準備をしておくとスムーズです。
査定に向けて揃えておく書類
●登記済み権利証または登記識別情報….土地の所有者がわかる
→法務局で申請
●固定資産税納税通知書….固定資産税額がわかる
→自宅にないか確認
●確定測量または境界線確認書….土地の境界線や面積がわかる
→法務局で申請
2.不動産会社を決める
事前準備が済んだら、土地がいくらで売却できるのか見込み額を算出する「査定」を行います。
査定価格は不動産会社によって違うので、1社だけでなく複数の不動産会社の査定価格を比較するようにしましょう。
査定結果が出てきたら、査定額や不動産会社の対応などから不動産会社を決めて、売却の依頼をします。
3.価格を決める
不動産会社が決まったら、土地の売り出し価格を決めます。
不動産会社からもらう査定書を参考に、どれくらいの価格設定がいいのか判断しましょう。
土地の売り出し価格が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは不動産会社に仲介を依頼する際に結ぶ契約のことで、媒介契約を結ぶと本格的に売却活動のスタートです。
媒介契約にも3種類あり、自分にあった方法で選びます。
複数の不動産会社に依頼したいなら「一般媒介」、1社に絞りたいなら「専任媒介」か「専属専任媒介」を選ぶといいでしょう。
信頼できる不動産会社が見つかれば、連絡のやり取りや売却活動が行いやすいので、専任媒介か専属専任媒介を選ぶのが一般的です。
4.売却活動
不動産会社との媒介契約が済んだら、いよいよ売却活動が始まります。
不動産会社が土地情報の告知を始めると、興味を持った人から現地見学の希望が来ます。
現地見学に備えて、土地をきれいにしておくなどの準備をしておきましょう。
敷地内に雑草が生え茂っている、ゴミが散乱している、などではイメージが悪くなってしまいます。
また、現地見学に立ち会うのであれば、土地の状況や近隣との取り決めなども確認しておくとスムーズに対応できるでしょう。
5.交渉・契約
土地を買いたい希望者が現れたら、不動産会社を経由して購入申し込みがあります。
「もう少し安くしてほしい」など価格交渉がある場合もあるので、どのような条件で土地を売買するのか、仲介する不動産会社を経由して話を進めていきましょう。
交渉を経て双方が取引条件に納得したら、売買契約の締結です。
6.引き渡し
売買契約を結んだ後、土地の正確な測量と隣接する土地との境界を明確にする筆界確認をした「確定測量図」が必要になります。
最初の事前準備に出てきた必要書類ですが、契約までに確定測量が済んでいなかった場合は、引き渡しまでに用意しましょう。
これらが整えば、土地の引き渡しです。
土地の引き渡し当日に、売買代金の授受や固定資産税など金銭の清算などの決算を行います。
代金などを受け取った後に売主は買主に必要な書類を渡し、その日のうちに土地の名義を変更、正式に土地の売買と引き渡しが完了です。
忘れてはいけないのが、土地を売却した翌年の確定申告。
土地を売却して利益が出たにも関わらず、期間内に確定申告を忘れてしまったら、追徴課税されることもあるので注意してください。
自分で売却相場を調べるには
流れをざっと見ると土地の売却はさほど難しくないように見えますが、実際にはどの不動産会社に任せるか、価格設定をどうするかなど、大いに頭を悩ませることになるはずです。
そこで事前に自分で売却相場を調べておけば、提示された査定額が適正なのか、その土地がどれほどの価値があるものなのかなどの判断材料となります。
以下、自分で売却相場を調べる3つの方法を参考にしてみてください。
- 実勢価格を調べる
- 地場工事価格を調べる
- 路線価を調べる
1.実勢価格を調べる
実勢価格とは実際の取引が成立する価格のことで、過去に取引が行われた場合にはその取引金額が実勢価格になります。
過去の取引価格は、国土交通省の 「土地総合情報システム」や成約価格を基にした不動産取引情報サイト「REINS」で誰でも調べることができるので、チェックしてみてください。
2.地場公示価格を調べる
地場公示価格とは、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準地の価格のこと。
毎年1月1日時点の1m2当たりの正常な価格を判定して、3月に公示されます。
公示地価は全国すべての地点が対象ではないので、調べたい地点が標準地でない場合は近くの標準地を参考にするといいでしょう。
公示価格は、国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で調べられます。
3.路線価を調べる
路線価は、国税庁が毎年7〜8月に公表する、その年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公示するものです。
路線価は公示価格の8割程度に設定されており、公示価格を1.1~1.2倍したものが実勢価格の目安となります。
路線価は道路に面した土地の価格で算出できるので、公示地価や実勢価格よりも、特定した土地の実勢価格を調べやすいのが特徴です。
路線価を調べるには、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を利用します。
土地売却にかかる費用や税金
土地の売却には費用や税金が発生します。
これらを念頭に入れて、売却後にどれくらいお金が手元に残るかを把握しておくことも大切です。
以下、売却時にかかる主な費用になります。
仲介手数料 | (売却額×3%)+6万円 (売却金額が400万円以上の場合) | 売買契約時または決済時 |
抵当抹消 | 土地に抵当権が設定されている場合 1.5万円~2万円程度 (司法書士に依頼した場合) | ローンなどの返済時 |
確定測量 | 土地面積や土地の状況により 35万円〜80万円程度 | 測量、境界確定後 |
解体費用 | 建物の解体が必要な場合 30坪の一軒家を解体する場合 木造住宅:90~150万円程度 鉄骨造: 150~210万円程度 RC造: 180~240万円程度 | 解体工事後 |
印紙税 | 売却価格によって異なる | 売買契約時 |
譲渡所得税 | 売却益が発生した場合、所有期間に応じて、20.315%または39.63% | 売却した翌年の3/15まで |
まとめ
いかがでしたか?
土地を売るためには、
- できるだけ自分で下調べを行うこと
- 複数の査定を行い、信頼できる不動産会社を選ぶこと
- 売却にかかるコストも計算しておくこと
が大切です。
一般的に不動産売買を経験する機会はそう多くはありませんが、いざ土地を売りたいと思った時や不要な土地の扱いに困った時の参考にしてみてください。