土地や家の価格を決める要素の一つとして、「公示価格」が存在します。これは、地価公示法に基づき、国や都道府県が毎年定める土地の価格のことを指します。
毎年特定の日に、特定の場所の1㎡あたりの価格が判定され、3月に発表されます。この公示価格は、地価の変動を明確に把握するため、また土地取引や相続評価の基準として活用されています。
今回は2024年の公示価格の結果を見るとともに、実際に自身の住んでいるエリアの公示価格の調べ方などを、よりスムーズに不動産売却が進められるよう解説していきます。
公示地価、基準地価、路線価について
公示地価、基準地価、路線価は、いずれも公的機関が公表している日本各地の「土地の値段」ですが、それぞれの目的や評価方法に違いがあります。
公示地価
国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の価格を3月中旬に公表します。公示地価は、都市計画区域内の土地価格を示し、不動産取引の際の指標や、公共事業の取得価格の基準となっています。
基準地価
各都道府県が毎年7月1日時点の価格を9月下旬に公表します。基準地価は、都市計画区域外も含む土地の価格を示し、公示地価を補助する役割を果たします。
路線価
国税庁が毎年1月1日時点の価格を7月1日に公表します。路線価は、相続税や贈与税を算出する際の基準となる土地の価格を示します。価格は、公示地価や売買実例価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額などをもとに決められます。
公示地価 | 基準地価 | 路線価 | |
調査地点 | 標準値1㎡あたりの価格 | 基準値1㎡あたりの価格 | 道路に面する土地1㎡あたりの価格 |
調査時点 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 | 毎年1月1日 |
公表時期 | 毎年3月下旬 | 毎年7月下旬 | 毎年7月1日 |
調査主体 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 |
価格の決め方 | 1地点につき不動産鑑定士2名以上による鑑定評価をもとに決める | 1地点につき不動産鑑定士1名以上による鑑定評価をもとに決める | 公示価格の8割を目安として決める |
目的 | 国全体、特に都市部における不動産価格の基準として公開することで不動産価格の安定化を狙う | 公示価格でカバーしきれないエリアの地価を調べることで公示価格を補助する | 相続税や贈与税の算定基準 |
今年の公示地価の動向
2024年の公示地価が3月26日に発表され、前年と比べて全国的に大きく上昇する結果となりました。全国平均で+2.3%と33年ぶりの高い上昇率となり、住宅地と商業地の両方で上昇が加速しています。
全国平均
全用途平均、住宅地、商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率が拡大しています。
三大都市圏
東京圏と名古屋圏では、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率が拡大しています。
大阪圏では、全用途平均の上昇は3年連続、商業地の上昇は2年連続で、それぞれ上昇率が拡大しています。
地方圏
地方圏全体でも、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも3年連続で上昇しています。全用途平均と商業地の上昇率は拡大しており、住宅地は前年と同じ上昇率です。
地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも11年連続で上昇しています。全用途平均の上昇率は縮小していますが、商業地の上昇率は拡大しています。
その他の地域でも、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大しています。
住宅地の価格上昇は、景気の緩やかな回復、低金利の継続、住宅取得支援施策などの背景により、都市中心部や利便性・住環境に優れたエリアの住宅需要が依然として旺盛であることが影響しています。
一方、商業地の価格も上昇しています。観光・インバウンドなどの人流の回復に伴う店舗需要、オフィス需要、さらには再開発事業が進行している地域での地価上昇が続いています。これらの動向から、公示価格の重要性とその影響を理解することが、不動産の価値を適切に評価するためには不可欠であることがわかります。
今後も公示価格の動向に注目し、適切な不動産取引を行うための情報を得ることが重要です。
公示価格の調べ方
では、実際に自分の住んでいるエリアの地価はどのように調べればよいでしょうか。
不動産売却を行う際は不動産会社が公示価格や類似物件の成約事例などをもとに査定してくれますが、ご自身でも前もって以下の手順で調べてみるとよいでしょう。
国土交通省のサイトを利用
国土交通省のWEBサイト 不動産情報ライブラリ にアクセスします。
「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」で、検索条件の地域のところにお住いのエリアを指定し、用途区分は「住宅地」を選択、一覧表示ボタンをクリックすると結果が表示されます。
簡単に確認できるので、売却をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
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