不動産を売却する際、「自分の家や土地がいくらで売れるのか」の目安をあらかじめ知っておくことは非常に大切です。実は、不動産会社に相談する前であっても、公的データやネットのツールを使えば、ある程度の相場を自分自身で調べることができます。
今回は、自分で不動産価格を調べる4つの具体的な方法と、調べる際の注意点を分かりやすく解説します。
目次
不動産相場を自分で調べる4つの方法
自分で価格を調べるには、主に以下の4つの手段があります。それぞれ確認できる価格の性質が異なるため、目的に合わせて組み合わせてみましょう。
固定資産税評価額から逆算して調べる
毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書」に記載されている評価額から、おおよその売却相場(実勢価格)を逆算する方法です。 土地の固定資産税評価額は、国が定める「公示地価」の約70%になるよう設定されています。そのため、「固定資産税評価額 ÷ 0.7」で地価の目安を求め、そこに市場の取引傾向(1.1〜1.2倍)を掛けることで、大まかな売却目安を算出できます。手元にある書類だけで今すぐ概算できるのがメリットです。
おおよその実勢価格 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1
不動産ポータルサイトの売り出し価格を参考にする
「SUUMO」や「HOME’S」などの大手不動産ポータルサイトで、自分の物件と似た条件(エリア・駅距離・広さ・築年数など)の物件がいくらで売り出されているかを確認します。 現在進行形の「ライバル物件の価格」がリアルタイムでわかるため、市場の空気感を掴むのに最も適しています。
「レインズ」で過去の成約価格を調べる
本来、不動産業者専用のネットワークである「レインズ(REINS)」ですが、一般向けに「レインズ マーケットインフォメーション」というサイトが公開されています。 ここでは、実際に取引が成立した過去の「成約価格」をベースに検索できます。直近で周辺物件がいくらで売れたのかという、より現実的な取引データが手に入ります。
「土地総合情報システム(不動産情報ライブラリ)」で調べる
国土交通省が運営している Web サイトです。実際に不動産取引を行った人へのアンケート結果をもとにした「不動産の取引価格情報」や、国が発表する「公示地価」を地図上で閲覧できます。
公的なデータなので信頼性が高く、過去数年間に遡って近隣の取引事例を確認できるのが強みです。
自分で調べる際の注意点・デメリット
自分で相場を調べる方法は手軽ですが、そのままの価格で売れるとは限らない点に注意が必要です。
ピンポイントの場所は特定できない
「レインズ(一般向け)」や「土地総合情報システム」で閲覧できるデータは、個人情報保護の観点から「〇〇市〇〇町」などの大まかな地域までしか表示されません。「隣のマンションの価格」といったピンポイントの特定はできないため、あくまで周辺エリアの「平均値」としての参考になります。
「希望価格」であって「成約価格」ではない
不動産ポータルサイトに載っているのは、あくまで売主が「この金額で売りたい」と希望している価格です。実際には、そこから値引き交渉が入って安く決着することも多いため、売り出し価格をそのまま鵜呑みにするのは危険です。
物件個別の「強み・弱み」が反映されない
ネット上のデータや計算式では、「日当たりの良さ」「眺望(見晴らし)」「室内の綺麗さ(リフォーム歴)」「接している道路の幅」といった、物件ごとの細かな個別事情までは加味されません。

まとめ
自分自身で公的データやポータルサイトを調べることは、相場観を養い、不動産会社と対等に話をするために非常に有益です。
しかし、不動産は世界に2つと同じものがない資産です。築年数や平米数が同じであっても、部屋の向きや管理状態、周辺環境、そして「今、そのエリアで買いたい人がどれくらいいるか」という最新の市場動向によって、実際の売却価格は数百万円単位で変わってきます。
そのため、ご自身の物件の「本当の市場価値」を正確に知るためには、やはり不動産のプロによる現地の査定が不可欠です。その際は、1社だけの意見を鵜呑みにせず、複数の不動産業者に査定を依頼して、各社の査定根拠を比較することをおすすめします。
自分で調べた相場をベースに持ちつつ、信頼できるプロのパートナーを見つけて、賢い売却への一歩を踏み出しましょう。



