タワーマンション(略して「タワマン」)とは、一般的には20階以上、高さ60m以上の超高層大規模マンションのことで、日本では1970年代に建築技術の進歩により、初めてタワマンが誕生しました。
当初は広い土地が必要でしたが、2000年代に入ると建築基準法の改正により日照権や容積率などの規制が大幅に緩和され、都心や湾岸地域での建設ラッシュが続いています。
昨年竣工した麻布台ヒルズのレジデンスは日本一の高さを誇り、現在も新築タワマンは常に注目を集めていますが、一方で売却したい場合に中古の需要はあるのか不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
今回はタワマン特有の問題や、売却に適したタイミングなどを詳しく解説していきます。
目次
タワマンは売れにくい?
タワーマンションの売却にはいくつかのポイントがあります。まず、タワマンが売れにくいと言われる理由をみてみましょう。
修繕費や管理費が高い
タワーマンションは高層住宅であるため、修繕工事が必要な場合、足場を組むことが難しく、修繕費が高額になります。また、共用施設が豊富な一方、コンシェルジュやフィットネスジムなどのメンテナンス費用は高いため、管理費も一般的なマンションより高くなります。
眺望が確保されている魅力的なゲストルームは、実際に住んでみると意外に使ってないという意見も多く、もったいないから使ってみようといざ予約しようとしても希望の日はすでに埋まっているなど、うまく活用できないというのも実情です。
一般的なマンションと比較して購入価格が高い
タワーマンションは駅前や商業施設の近くなど立地条件が良いという付加価値があるため、購入価格も高くなります。そのため、他のマンションや戸建てに比べ圧倒的に相場が高くなってしまい売れにくくなることがあります。
低層階は価値が下がる
「タワマン=眺望が良い」というイメージから高層階に人気が集中しやすいため、低層階は売却が鈍くなることがあります。
周辺に同じようなタワマンが多い
同じようなタワーマンションが多く建っているエリアでは、競合が激しく売れにくくなります。差別化が難しいため、売却の難易度が高まります。
とはいえ、タワマンに住むことは「成功者の証」などとも言われ、ひとつのステータスになっているのも現実です。
タワマンは再開発エリアに建てられることが多く、街のランドマークとして認知されるので、その物件に住んでいるというだけで憧れられるというわけです。特に都心部や駅直結、駅近の立地は資産価値が落ちにくい傾向があります。充実した設備はもちろん、豪華なエントランスや共用施設、高層階からの眺望なども、ステータスを高める要素となっています。
今後のタワマンの動向
2024年5月に不動産経済研究所が公表した調査結果によると、2024年以降に予定しているタワマンの予定戸数は、全国で約11.2万戸に上り、前回調査比は1.5万戸増となっています。東京都心部や湾岸エリアだけでなく、地方中核都市でも大規模タワーや複合再開発プロジェクトなどが数多く控えており、全国的に増加が続きます(※)。
タワマンに限らず、マンション需要の多いエリアでは複数の建設が進むことも珍しくありません。通常のマンションに比べて高値で売却できるため、投資目的での人気も高まっています。
※詳細は不動産経済研究所「不動産経済 マンションデータ・ニュース」をご参照下さい。
タワマン売却において気を付けるポイント
では、タワマンを売却する場合はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
所有期間が5年を過ぎてから
不動産を売却して「譲渡所得(利益)」が発生した場合は、税金が課税されます。譲渡所得は売却した不動産の所有期間が5年を超えるか超えないかで税率が倍近く変わります。
譲渡所得の種類 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率 |
短期譲渡所得 (所有期間5年以下の場合) | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 (所有期間5年超の場合) | 15.315% | 5% | 20.315% |
急いで売らなければいけないなどの理由がなければ、5年を超えたタイミングで売却した方が税金の負担が軽減されます。
所有期間が10年を過ぎてから
不動産を10年以上所有すると、長期譲渡所得の他にさらに軽減税率が適用されます。以下が主な適用条件です。
- 日本国内にあるマイホームを売却すること
- 売却した年の1月1日においてマイホームの所有期間が10年を超えていること
- 売却した年の前年または前々年にこの特例の適用を受けていないこと
- 居住用財産の3,000万円特別控除を除く指定された特例を受けていないこと
- 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売却していないこと
大規模修繕前のタイミング
タワマンに限らず、マンションは10~15年に一度大規模修繕工事を行います。大規模修繕の後の方が外観は綺麗になり見た目はよくなりますが、内装が清潔に保たれ、設備も正常に動作し、共用部分の清掃が行き届いていれば物件の売却は可能ですので、少しでも築年数が新しい状態で売るようにしましょう。
また、売却するまで大規模修繕が行われなかったとしても、修繕積立金は所有者に返還されることはありません。しかし買い主の視点で見れば、大規模修繕前に購入すればそれまで前所有者が積み立てた分にプラスして大規模修繕が行われるため、お得感もありアピールポイントになります。
大規模修繕をいつやるかは、マンションの管理組合で決定され、工事の半年前には通知されます。
まとめ
タワマンを売却する際は、より高値で売れるよう市場相場の動向をチェックしつつ税制面でのタイミングも考慮するようにしましょう。
そしてタワマンの取引事例が豊富な不動産会社を選ぶことも重要です。不動産会社選びは「査定之助」にお任せください。査定之助では信頼できる不動産会社のみと提携をしているため、しつこい営業は一切ありません。
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