家を売る入り口となる住宅査定。
「家の査定を受けるのは初めて」という方がほとんどではないでしょうか。
どんなところに注意を払えばいいのか、何を準備したらいいのか、など疑問が多いと思います。
この記事では、
・住宅査定で押さえておきたい3つのポイント
・査定前に準備しておくもの
・住宅査定を受けるときの3つの注意点
についてわかりやすくご紹介していきます。
ぜひ、ご自身の家を売却するご参考にしてください。
目次
住宅査定で押さえておきたい3つのポイント
家の査定を依頼する前に、押さえておきたいポイントは以下の3つ。
・不動産会社の査定基準
・売却までのスケジュール
・資金計画
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント①不動産会社の査定基準
まず、理解しておきたいのは査定で提示される価格についてです。
査定価格とは、主に住宅を売りに出した時『3ヶ月以内に売れる可能性の高い価格』のこと。
あくまで、「この金額なら売れる可能性が高い」とプロが判断してつける価格ですので、必ずしも査定価格で売却できるわけではないことを覚えておきましょう。
さらに住宅の査定には、簡易査定(机上査定)と訪問査定の2種類があり、それぞれ価格に反映する条件や査定方法に違いがあります。
簡易査定(机上査定)
簡易査定(机上査定)とは、インターネット上で情報を入力することで、過去のデータを元に簡単な査定を行ってくれる査定方法です。
最近ではAIを利用したものなど、手軽に査定ができるので非常に便利。
しかし物件の現況を把握していないため、実際の売却金額とは差が出やすいので注意が必要です。
【簡易査定で価格に反映される条件】
- 築年数
- 面積
- 間取り
- 立地
- 耐震性
- 建築に使用された材料
訪問査定
訪問査定とは、実際に不動産会社が住宅へ訪問し、物件の現況を確認したうえで査定価格を算出する査定方法です。
簡易査定に比べて査定の精度が高く、より売却金額に近い価格を知ることができるでしょう。
【訪問査定で価格に反映される条件】
- 室内の居住環境
- 日当たり・眺望
- 上下水道・電気・ガスの使用に問題がないか
- 住宅の傾きや雨漏りなどの欠陥がないか
- 風呂・トイレ・キッチンなどの設備
- 壁紙・床など内装の劣化
- 外観
- 省エネ設備があると◎
上記以外にも不動産会社により、価格に反映される条件が異なることもありますのでご注意ください。
ポイント②売却までのスケジュール
一般的に不動産会社へ査定を依頼してから実際に手放すまで、平均で6ヶ月程度かかると言われております。
早いと3ヶ月、長いと10ヶ月ほどかかりますすので、家の買い替えを検討している方や、現金化のために売却を検討している方は、スケジュールを確認しておきましょう。
インターネットの一括査定を利用して査定や売却を進める場合、以下のような流れになります。
家を手放したい時期が決まっている場合は、その半年前ほどを目安に動き出すと良いでしょう。
売却時期の希望については、査定の時に不動産会社へ伝えておきましょう。
ポイント③資金計画
家を売却するにも、資金計画が大切です。
特に、家の買い替えを検討している方や、現金化のために売却を検討している方は、家を売っていくらくらい手元に残るか計算しておく必要があります。
住宅ローンが残っている方は、まず「残債」を確認しておきましょう。
家の売却が成立し、引き渡すときには住宅ローンを完済している必要があります。
金融機関から送られてくる「返済予定表」または「残高証明書」等でローンがいくら残っているか確認できますので、査定前に把握しておきましょう。
売却金額を返済に充てることは可能ですが、売却金額よりも残債が多い場合は注意が必要です。
売却金額で完済できない場合「差額を自己資金で一括返済する」か「住み替えローン」を利用する2つの方法があります。
また、不動産を売却するためには
・抵当権抹消費用
・住宅ローン一括返済手数料
・司法書士費用
・仲介手数料
などの費用がかかります。売却金額がそのまま手元に残るわけではないので、注意が必要です。
【関連記事】
⇨【マンション売却の流れ】ローンが残っている時はどうする?
⇨不動産売却にはいくらかかる?費用の目安と節税方法をご紹介
査定前に準備しておくもの
ここでは、査定前に準備しておくものをご紹介します。
◆マークがついているものは、無くても査定はできますが、あると査定がスムーズにできたり有利になるため手元にある場合はすぐに出せるように用意しておきましょう。
【書類の名称】 | 【取得できる場所など】 |
登記簿謄本 | 管轄の法務局またはインターネット |
公図 | 管轄の法務局またはインターネット |
土地の測量図あるいは建物の図面 | 管轄の法務局またはインターネット |
◆登記権利証または登記識別情報 | |
◆身分証明書 | |
◆購入時の売買契約書 | 購入した不動産会社 |
◆建築確認済証または検査済証 | 検査を請け負った業者または役所の担当部署 |
◆境界確認書 | 無い場合は測量を行う必要がある |
◆住宅性能評価書 | 全国の評価センターや保証検査機関など |
◆リフォームや修繕歴に関する書類 | 施工業者 |
部屋の掃除やクリーニングをしておいた方が良いか悩むところですが、ある程度片付いていればOKです。
査定で訪問する不動産会社は基本的に家の中は空の状態で売却を想定していますので、スムーズに家の中を見て回ることができれば大丈夫でしょう。
ただ、壁に穴が空いている部分を隠したり、壊れている設備を故意に伝えないなどは後々の売却に関わるためやめましょう。
住宅査定を受けるときの3つの注意点
査定を受けるときの注意点も確認しておきましょう。
注意点①築年数によっては建物の価値がゼロの場合がある
建物の価値は新築の時がいちばん高く、築年数を経過するごとに低下していきます。
日本の住宅の寿命は25〜30年程度と言われており、建築方法により法定耐用年数が決まっています。
国税庁のHPを参考にすると、住宅の耐用年数は下記の通りです。
【住宅の建築方法】 | 【耐用年数】 |
一戸建て木造住宅 | 22年 |
鉄筋造(S造) | 34年 |
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)マンション | 47年 |
「法定耐用年数」とは、建物を使用できる「期間の目安」のことで、実際の建物の寿命とは異なります。
そのため、まだまだ住める家でも耐用年数が過ぎている場合は、建物の価値がゼロになってしまうことがあります。
注意点②相場は調べておく
同じような条件の家が、どれくらいの価格で売買されているかを調べて相場を知っておきましょう。
過去に売買された物件の情報や取引価格は、下記のホームページで一般に公開されていて誰でも簡単に調べられます。
■レインズ マーケット インフォメーション(REINS Market Information)
こちらサイトでは全国の物件を調べることができ、
- 都道府県
- 物件種別
- 沿線・最寄り駅・駅からの距離
- 間取り
- 築年数
などの条件を指定して検索することで、より条件の近い物件の売却事例を検索することができます。
■国土交通省 土地総合情報システム
こちらは、国土交通省が運営しているWEBサイトです。
土地総合情報システムでは
- 土地
- 土地と建物
- 中古マンション
- 農地
- 林地
などの取引情報を確認できます。
不動産取引価格情報検索から、実際に行われた不動産の取引価格(アンケート)を閲覧できるので参考にしましょう。
査定前に相場感を身につけておくと、不動産会社が提示した査定金額が適正かどうか見極められるようになるでしょう。
注意点③見積額を比較する
3つ目の注意点は、査定額を比較するということ。
一社のみに査定を依頼した場合と、複数社へ査定を依頼した場合では査定額に数百万円の差が出ることも珍しくありません。
比較することで、適正な価格で、より安心できる不動産会社へ依頼することができるでしょう。
家の査定をするなら無料一括査定がおすすめ!
無料一括査定なら、複数の不動産会社へ一括で見積もりを依頼できます。
お金がかかるのは、売却が成立した時のみ。査定に関する手数料や費用は一切かかりません。
【一括査定の流れ】
①インターネット上で、入力フォームへ必要な情報を登録
②簡易査定で複数の不動産会社から簡単な査定結果が届きます
③連絡がきた中から気に入った不動産会社とのみやりとりを行います
④不動産会社と契約を結び家の売却をしていきます
いくつかの不動産会社へ査定を依頼しても、
「どこの不動産会社がいいかわからない・・・」
という方も居るでしょう。不動産会社を比較する時のポイントとして以下のようなことを参考にしてみてください。
住宅訪問査定時【不動産会社を比較するポイント】
- 訪問してきた営業マンは信頼できそうか
- 質問に真摯に答えてくれるか
- 中古住宅の販売を得意としている不動産会社か
- 査定価格の根拠を示してくれているか
- 同じような物件の売却実績があるか
上記ようなポイントを比較することで、より良い不動産会社に売却を依頼することができ、損をせずに住宅を売却することができるでしょう。
無料一括査定を利用するメリット
住宅を売却するときに不動産会社に査定を依頼し、査定価格を知るメリットについて理解しておきましょう。
相場や適正価格を知ることができる
不動産には『定価』が無いとよく言われます。
そのため、不動産知識のない方が家を売るとき、悪い不動産会社に仲介を依頼し、相場よりも安く家を売却させられてしまうというケースも中にはあります。
住宅査定を複数の不動産会社に依頼すると、周辺相場や査定価格の根拠を知ることができ、相場より安く売却することを避けられるでしょう。
資金計画が立てやすい
「売却後いくら残るか」というのはローンの残債がある場合や、新たに家の購入を考えている方にとって非常に重要なことです。
不動産会社の査定金額も、確実に売却できる金額がわかるわけではありません。
しかし、いくつかの不動産会社へ査定を依頼してみると、より売却金額に近い価格が想定しやすくなります。
売却価格から諸費用を差し引くことで、手元に残る金額をある程度想定することができます。
売却にかかる諸費用は一般的に売却価格の4〜6%ほどが必要とされています。
計算方法は以下の通り。
売却価格 ー 諸費用(4〜6%) = 手元に残る金額
査定価格を踏まえ、計算することで住宅ローンの返済が可能かどうか資金計画が立てやすくなるでしょう。
まとめ
この記事では、住宅査定で押さえておきたい3つのポイントと注意点、査定前に準備しておくものについてご紹介しました。最後にまとめておきます。
住宅査定で押さえておきたい3つのポイント
①不動産会社の査定基準
②売却までのスケジュール
③資金計画
査定前に準備しておくもの
登記簿謄本や公図、建物の図面など家に関する書類は整理してすぐに出せるようにしておこう。
住宅査定の注意点
①築年数によっては建物の価値がゼロの場合がある
②相場は調べておく
③見積額を比較する
この記事が、あなたの家の査定を受けるご参考になれば幸いです。